寒くなってくると、牛すじの煮込みをつまみながら、燗酒をキュッとやるのが、なんとも言えないですよね。
うちの店では、根菜などを入れずに和牛のすじ肉だけで、本来の甘みを生かして醤油味で仕上げています。とろっとしたうま味がしたたる脂とコラーゲンを、キリッとした味わいの無鑑査辛口の燗酒がスパッと切ってくれる。
無鑑査は50度くらいの熱燗にするとアルコール感が立って、エッジの効いたパワフルな味わいになるので、牛すじに負けないんです。40度くらいまで下がってぬる燗になると、うま味や甘味がやわらかく出てくるので、2度おいしい。いわゆる燗冷ましになると、出汁に合う味になってきます。1本でどの温度帯でもいけちゃうのが無鑑査のいいところです。
料理とお酒の相性のよいペアリングは、足し算や引き算だと思います。濃厚なうま味や香りを味わう料理には、香りが控えめでうま味成分が薄い無鑑査の特徴がプラスになって、料理の素材を生かし、味を引き立ててくれるんですよね。
第一回:「和牛すじの煮込み」800円(税抜)
和醸良酒 ○たけ(まるたけ)
仙台市青葉区大町2-4-1
電話 022-266-5541(※電話対応は16:00以降)
仙台における若手の飲食業界でリーダー的存在。