宮城の地酒ですからね。無鑑査は、いつも変わらず料理との相性がいい、安定の味です。1年を通して、熱燗がすごくおいしいですね。酒燗器があって、すぐ温められるんですよ。温めた熱燗は、キレがあって飲み飽きしませんから。
熱燗に合わせるなら、山形県庄内地方の庄内豚をじっくりと煮込んだ角煮です。脂身と赤身のバランスがよく、脂身がおいしくて、火を通すと赤身がやわらかくなるんですよ。フライパンでこんがり焼いてうまみを閉じ込め、下ゆでして一晩寝かせます。余分な脂を取り除いてから、たまりしょうゆとざらめ少々を入れて、お酒のアテになる味に染み込ませます。仕上がりは、ふっくらとろけるやわらかさです。隠し味ですか。それはやっぱり「思いやりと愛情」でしょう(笑)。
お客様は、地元の方が多いですが、出張で県外から来られる方もいます。休みの前の日は「明日は、どうなってもいいー!」と熱燗を飲んでいかれます。こっくりした角煮をさっぱり洗い流すように、グイグイいってほしいですね。
「庄内豚角煮」900円(税込)
旬味 恵比蔵
宮城県大和町吉岡字中町20
電話 022-344-5033
旧宿場町の街道沿い、店先に並ぶ一ノ蔵の酒だるが目印。この道30年の親方が、三陸沿岸に水揚げされた魚介類の刺身、隣接する老舗豆腐店の三角揚げを使った「三角揚バッケミソ焼」、「日高見牛ハラミ炙り」など、地域の味でもてなす。