日本酒のふくよかな甘味、酸味、辛味を補うのが、おつまみの塩味です。しょうゆベースの漬けだれにじっくり1日漬けて、きつね色に揚げた鶏のから揚げが、よく合います。
職人肌だった先代の父を見て覚えた「鳥ふじ」定番のから揚げは、青森のにんにくと高知のしょうがの香りをきかせています。漬けだれがしみ込んだやわらかい肉質の「さつま地鶏」は、薄づきの衣でサクッと軽い口当たり。必ず完食される、定番のひと皿です。お酒は、やっぱりすっきりとした無鑑査辛口の冷酒でしょう。受け皿にあふれるほど、なみなみと注いだ冷酒とのマリアージュが楽しめます。
一ノ蔵との出会いは、旅先の松島で飲んだのがきっかけです。お酒にこだわった店にしたいと、「一ノ蔵日本酒大学」で酒の仕込み作業も体験しました。鳥ふじの隠れ家として14席の「隼(はやぶさ)」を2013年に開店。女性ひとりでお酒を楽しむお客さまが多いのは、看板娘の母がいる安心感のようです。
「鶏のから揚げ」450円(税込)
隠れ処 鳥ふじ隼
東京都品川区中延6-1-26
電話 03-6426-8441
お通し代わりの「今日の母の逸品」は、母・久子さんお手製。久子さんのほっこり笑顔にくつろぎながら、